名所訪問

「 北前船で栄えた酒田 」


かうんたぁ。


JR酒田駅に荷物預けて、市内観光を行う。 

まず、山居倉庫に行った。 

「 明治二十六年(1893)年、旧庄内藩酒井家が、 最上川と新井田川に挟まれた山居島に、山居倉庫の始まりである。
ここは、 舟による米の積み下ろしが便利な場所である。
十二棟の巨大な木造の倉庫を連ねた美しい建物と、 最上川畔のケヤキ並木が独特の風情を伝えている。 
建設された十四棟のうち、十二棟が残っており、現在も米穀倉庫として使用されている。
倉庫の一部は、「庄内米歴史資料館」や、観光物産館として活用されている。 
山居倉庫は、米の揚げ下ろしで、雨風に当たらない構造や、 倉庫内の工夫を凝らした空調管理、入庫米の厳しい選別審査などで、 中央市場でも日本一と評される「山居米」を生み出した。 
現在の近代的な倉庫の保管機能と比較しても、 決して遜色の無い山居倉庫は、庄内米の改良と声価向上を果たし、 農村経済の振興に貢献した。 」

倉庫を見ながら、山居島を出て、本間家旧本邸まで歩くと、 本間家旧本邸の長屋門(入口)が見えてきた。 

山居倉庫
     山居倉庫内部      本間家旧本邸入口
山居倉庫
山居倉庫内部
本間家旧本邸長屋門(入口門)

江戸時代に紅花や米を関西へ運ぶ西廻り航路が開かれ、 酒田は北前船の拠点として「西の堺、東の酒田」と言われるほど酒田は栄えた。 
その中でも、「 本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に 」 
と、俗謡に謡われるほどの豪商であったのが、本間家である。 

「  本間家は、初代久四郎原光が、元禄二年(1689)、本町一丁目に、新潟屋を開業。 
三代光丘は、千石船による商いを始める一方、農業振興のため、土地改良・水利事業を行い、 永年にわたる風害軽減のため、砂防林の植林に心血を注いだ。 
また、庄内藩酒井家の信望を受け、藩財政の相談に関わるなど、地域社会の発展に努めた。 」 

本間家本邸には、長屋門の他、東側に、桟瓦葺きの平屋建ての薬医門がある。 
門をくぐると、玄関の前に、「臥竜の松」 と呼ばれる、樹齢四百年を越える立派な赤松がある。 
家の上にかぶさるようになっているので、「門かぶりの松」 と呼ばれている。 

「 明和五年(1768)、本間家三代光丘が、藩主酒井家のため、 長屋門構えの武家屋敷を新築し、庄内藩酒井家に献上した。 
その後、拝領し、本間家代々の本邸として、昭和二十年まで使用されていた。 
本屋は、桁行(南北)三十三・六メートル、梁間(東西)十六・五メートルの平屋建てで、 二十二の部屋がある。 
正玄関は、藩主・県知事・菩提寺の住職のみ使用し、一般には使用されなかった。 
上り口にある式台には欅、板戸には神代杉が使われていた。 
石と苔で蒸した庭があるが、船体を安定させる綿積石(海神石)として 諸国から北前船で運んできた銘石を配したものである。 
長屋門も同じ扱いでで、通常は薬医門を使用していた。 」 

玄関と臥竜の松
     庭園      薬医門
玄関と臥竜の松
庭 園
薬医門

本間家旧本邸の道の反対にあるのは、別館「お店」である。 

「 本間家初代原光が、新潟屋を開業し、代々商いを営んでいた建物である。 
あらゆる事業を行っていたが、事業の柱になっていたのが、金融と地主の事業である。 
このお店には、実際に使用された帳場や、秤・行燈等が展示されている。 」 

隣の駐車場の脇には、「旧堀端」の標柱がある、

標柱「旧堀端」の文面
「 慶長四年(1599)、東禅寺城主・志田義秀は、関ヶ原戦に備えて、 鵜渡川原と旧内町組の一部を、掘と土塁で囲んだ。 
その内、鍛冶町から本間家本邸東側にかけての所を、特に 堀端 と称し 大欅が並び美観を呈していたが、明治二年に埋め立てられた。 
   平成二十年十二月   酒田市教育委員会    」 

この後、二十分程歩いて、駅の近くにある本間美術館へ行く。 

「 本間美術館は、庄内地方の大地主であった本間家が収集した品を保管、 展示する、山形県の登録美術館である。
昭和四十三年(1568)に建設された、伊藤喜三郎氏設計による、新館と、 京風の純和風建築の清遠閣と、庭園・鶴舞園で構成されていて、庭園美術館としての性質を持つ。
庭園の片隅にある窯では、本間焼が造られている。 」

清遠閣(せいえんかく)は、文化十年(1813)に、本間家四代当主・光道(こうどう)が、 別荘として、二階建ての銅板と瓦葺きの建物を建てた。 

「 建築の目的は、庄内藩主が領内巡視する際の休憩場所として、 もう一つの目的はこの地方の冬の失業対策として、建築されたもの、といわれる。 
庭園の鶴舞園は、六千坪の敷地に、鳥海山を借景とした林泉の風致をそえた池を中心とした、 政時代には、庄内藩主や幕府要人を接待、 明治以降は皇族や政府高官、文人墨客を接待する酒田の迎賓館の役割を果たし、 大正十四年には、昭和天皇のお宿になりました。 」  

庭園・鶴舞園をはさんで、本館(清遠閣)と新館(昭和43年竣工)が建てられている。 

本間家お店
     本間美術館      清遠閣と庭園の鶴舞園
本間家お店
本間美術館新館
清遠閣(本館)と庭園の鶴舞園

山居倉庫へは鶴岡駅よりバスで10分
本間家旧本邸 所在地 山形県酒田市二番町12−13
本間家へは鶴岡駅よりバスで10分
本間美術館へは、JR酒田駅より、徒歩5分

訪問日     令和二年(2020)十月二十九日



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