名所訪問

「 北海道旅行 えりも岬から帯広地方の旅  」

( 広尾 ・ 十勝川温泉 ・ 然別湖 )


かうんたぁ。


島倉千代子の「襟裳岬」に、「 風はひゅうひゅう 波はざんぶらこ 」 という、 フレーズがあるが、風の強さを体験できる施設・風の館がある。
この地に、霧が多いのは、沖合で、寒流の千島海流と、暖流の親潮がぶつかるためである。
海はもやがかって、景色は見えず、風があり寒いので、この施設で、 風の強さを体験した後、休憩するような施設もなかったので、 車にのり、えりも岬のバス停の先、左にカーブする道・道道34号を進むと、 えりも郵便局や小学校がある。市街地がある。
そのまま北上すると、国道336号がある三叉路に出る。
三叉路で、右折して国道336号に入り、広尾へ向かう。
この道は黄金道路と呼ばれている。

「 国道336号のえりも町庶野から広野町までの約三十三キロは、 日高山脈の切立った崖を縫うように、トンネルと覆道が連続する。
途中、覆道の合間から覗く海岸線が美しい。
道路建設が計画されたのは、江戸末期であるが、 断崖絶壁から、石が転げ落ち、冬には雪崩が多発することから、工事は難航した。
寛政十年、近藤重蔵は、幕府の命令による、東蝦夷地の冒険調査の帰路、 崖や岩礁しかない道であり、暴風雨に遭い、足止めされ、 地元のアイヌ人の強力を得て、山道12キロを開削して、道を作った、
これが、北海道で最初の開削道路である。
昭和二年に工事が始まったが、トンネル建設や海岸の埋め立て工事で、 七年後の昭和九年に、日高と十勝を結ぶルートとして、完成した。
竣工当時の道路名は、日勝海岸道路であったが、 黄金を敷き詰める程、莫大な建設費がかかったことから、 「黄金道路」 と呼ばれるようになった。   」

黄金道路から海を見ると、曇天の下、沖を進む漁船と、 空を飛ぶ鶏の姿が見られたが、殺伐した風景であった。
海岸には、引き揚げられた舟と、廃線になった日高本線の線路がある。

風の館      黄金道路から見た襟裳半島と海     廃線になった線路
風の館
黄金道路から見た襟裳半島と海
廃線になった線路

車を走らせると、広尾町に入り、左手に「日高山脈襟裳十勝国定公園 フンベの滝 」  の立札があり、岩肌を勢いよく、水が落下している。
フンベの滝うぃお後にして、国道を北上すると、広尾町の市街地があるが、 そこを抜けると、「海辺のふれあい広場」 がある。
国道はここから、山間部へ入る。
この日高山脈と襟裳岬は、である。
豊似川を渡ると、国道336号と別れ、国道236号(天馬街道)に入る。
このあたりは日高山脈賀)南北に連なり、多くの中小河川がある。
山間部に谷が出来、海に向って、かなりの勢いで、水が流れている。
国道236号は、帯広に通じる道で、山間部を北上し、 更別村・中札内村を通過する。
更別村へ入ると、畑が広がるが、観光的に見るところはない。
中札内村は、「日本でも最も美しい村」連合に加入している。
同連合に認定された、登録地域資源は「防風保安林に守られた農村原風景」 と、 「北の大地を彩るアートと文化」 である。 
北海道の村で、最も人口が多い。
小生が訪れた時はなかったが、 六花の森や中札内美術館や花畑牧場があり、観光客に人気がある。

フンベの滝      豊似川     中札内村
フンベの滝
豊似川
中札内村

帯広市域に入ると、右手に十勝帯広空港がある。
「幸福」のバス停がある所を右折すると、気動車が停まっている。
ここは、広尾線の旧幸福駅である。

「 広尾線は、帯広から広尾までの路線であった。
昭和四十八年(1973)三月、NHKの「新日本紀行」・ 「幸福への旅 ー 帯広 」が、 放送されるとと、 「幸福駅」 の駅名が全国的知れ渡った。 
当時、旅ブームであったので、訪れた人が記念に、隣の駅の愛国駅から幸福駅までの 切符を購入するのに目を付けた国鉄は、その符を発売したところ、 発売の年 三百万枚、 以降、四年間で、千万枚を超えるビームを引き起こした。 
しかし、一日4本という本数なので、訪れる人はバスや車で、赤字解消とはならず、 昭和62年(1987)、広尾線が廃線になった。
駅舎など、壊される運命にあったが、 観光ポイントとして、残された。 」

幸福駅から旧国道に戻り、北上し、愛国交叉点で右折して国道と別れ、 道道962号を東に少し進み、交叉点で『左折して、道道238号に入り、北上し、 後は道なりに進む。
札内みずほ町の交叉点を直進すると、道道151号に変わるが、そのまま進むとJRの線路を越え、国道へ突き当たる。 この間、六キロ程。
右折して十勝国道に入り、東に進み、幕別町先住交叉点で左折し、道道73号を行くと、 十勝川に架かる十勝川中央大橋がある。
橋の下は、十勝川温泉アクアパークという、河川敷の緑地公園であるが、 先日の台風による増水の後遺症が残っていた。
橋を渡ると、十勝川温泉郷で、 今夜、宿泊する、十勝川温泉第一ホテルへ到着した。

「 十勝川温泉は帯広市の郊外にあり、近くの千代田堰堤は鮭の遡上で有名なところ。 鮭の遡上を見に訪れた。 
あいにく、台風崩れが通過し、千代田堰堤の鮭の遡上はあまり見られなかったが、 それでも上ろうとする執念には心を打たれた。 
泊まったホテルは、十勝川に面しているので、日高山脈と十勝川が一望できた。 
凝った風呂が自慢の宿で、ふろは石造りの広い展望露天風呂・河原の石で囲まれた露天風呂・ 檜風呂・気泡風呂など、いろいろな浴槽があった。 
温泉の泉質は日本では類のないモール泉である。 
湯の中に、苔の断片が浮いているので、多少気になるが、肌がすべすべになった。 
美肌効果が高いと大好評のようである。
設備も食事も合格点だった。 特に、風呂は温度もほどよく気持ちよく入浴できた。  」

旧幸福駅      十勝川中央大橋     台風の傷跡
旧幸福駅
十勝川中央大橋
台風の傷跡

最終日には、然別湖へ行く。
十勝川温泉を出ると。道道73号を西に向い、旭橋を渡ると、下士幌交叉点を右折し、 道道316号に入る。
少し走ると、道道31号に突き当たるので、左折して道道31号を走る。
このあたりは音更町で、東和交叉点を右折し、国道241号に入る。 
この道は、阿寒の足寄湖と帯広を結ぶ足寄国道である。
音更町から士幌町に入り、中士幌の左側に 、「ピア21しほろ」 という道の駅(士幌西線34番地)がある。
この間、13キロである。

「  平成二十九年(2017)にリニューアルオープン。 
士幌町の経営で、 農業を意識した、マンサード型屋根の建物を中心に、 木造り感のある建物。 
地元産のじゃがいもを使ったフライドポテトや、こだわりのコーヒー、 地元でつくる加工品や手作り雑貨、ソフトクリームなど、気楽に楽しめる道の駅である。 」

道の駅の先にある交叉点を左折して、国道274号に入る。
この道は日勝国道で、この後、17キロ走ると、国道は、左にカーブし、清水町へ向かう。
然別湖は、この交叉点を直進し、道道53号に出る。
ここは鹿追町で、北に向かって道なりに進む。
右側は自衛隊演習場である。r そこを過ぎると、扇ヶ原展望台・白樺峠・白雲橋を経て、然別湖の南湖畔に到着する。
十勝川温泉から66キロ、所要時間約1時間半」である。

手前の道の右手の森の中に、小さな駒止湖がある。
青緑に輝く水をし、人が近寄りずらい雰囲気の湖である。
然別湖では、ホテル風水の南側に、船乗り場があり、観光遊覧船が就航している。

「  然別湖は、海抜810mに位置し、北海道の湖の中で、 最も高いところにある。
周囲は13キロ余り、最大深度は108mで、冬は凍結する。
然別火山群(ナイタイ山・天望山・白雲山など)に囲まれたようにあり、 溶岩ドームにより、ヤンベツ川が堰きとめられてできた、堰止湖である。 」

湖の周囲の樹木は、まだ、九月なのに、紅葉が始まっている。
この紅葉の上には、湖を囲む、白雲山(1187m)や、 「くちびる山」と呼ばれる天望山(1174m)があり、これらは東大雪山の山々である。
湖畔に温泉があることは、この時は知らなかったが、二軒の宿で温泉に入れるようである。
北海道の自然に触れ、この後、十勝帯広空港から、帰宅の途についた。

駒止湖      然別湖     紅葉の湖畔
駒止湖
然別湖
紅葉の湖畔

訪問日     平成二十年(1998)九月二十二日から二十三日



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