蔦沼一帯には、、小さな沼が中心の蔦七沼や秘湯の蔦温泉がある。
私が訪れた時は、展望デッキや遊歩道が整備される前である。
訪れる人も少なかった。
十和田国立公園にある蔦沼一帯には、ブナが自生している。
遊歩道を歩いていくと、朽かけたブナの樹に茸が生え出している姿を見つけた・
また、枯れて自然に戻ろうとしている樹木もあった。
これらは、ブナの一生を写しだす風景で、自分の人生と重ねて、感慨深いものがあった。
オゾンをたっぷり吸いながら、緑の森を歩いた。
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蔦沼は、蔦七沼の一つで、その中で一番大きい。
沼の後方に見えるのは、赤倉岳である。
その先はアップダウンがある道で、道脇に小さな滝になり、
水が流れる場所があり、写真に収めた。
森の中には、沼が点在している。
鏡沼・月沼・長沼・菅沼・瓢箪沼・赤沼がある。
瓢箪沼は、以前はひょうたんの形をしていたという。
現在は、涸れた植物や流れ込んだ土砂で、水が少なくなってきている。
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私が訪れた頃は、案内板や沼入口に沼名の標示がなかった。
沼に入れないため、林の間から、見る場所もああった。
湖面は平らで、上の樹木が映り、鏡面のようだった。
当日は、秘湯の宿「蔦温泉」に泊まった。
「 極楽に越える峠のひとやすみ蔦(つた)のいで湯に身をば清めて ( 大町桂月 )
蔦温泉は、旅の歌人・ 大町桂月の終焉の地として知られている。
旅館は、数百年を生き抜いたブナの原生林に囲まれた1軒宿で、
明治四十二年の創業である。
本館、別館、新館とあるが、大正七年に建てられた本館に泊まりました。
部屋は、名物の長い階段を上がった二階。
トチの木やブナ材をふんだんに使った堂々とした造りである。 」
温泉は秀逸である。
室内大浴場だけで、露天風呂がないのが残念だが、それを補うだけの名湯である。
「 透明な湯が、湯船の底に敷き詰められたブナ板の隙間から、
絶えず湧き出ている。
泉温42℃〜48℃の源泉がストレートに身体にあたる。
湯に少しも手を加えないで、注ぎ込まれる天然温泉である
ある有名な温泉博士によると、
温泉は生ビールと同じように生き物であるから、
地表に湧出したとたん、劣化が始まる。
自然湧出泉は、地球からプレゼントされた。完熟トマト のようなものである。
鮮度が命。少しでも間を置くと、たちまち腐ってしまう ・・・・
泉源の上に風呂があるので、うまれたままの湯が味わえる。
水も加えず、沸かしもしない。
単純泉に近い泉質なので、無色無臭で石鹸も使える。 」
食事は部屋食で、食事もうまく、仲居さんの応対もよかった。
女性陣に人気の宿といわれるだけのことがあるなあと思いました。
こころづかいの感じられる宿でした。
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訪問日 平成十四年(2002)七月一日〜二日