標高3000m雲海に浮かぶ大自然が拡がる駒ケ岳千畳敷カールへきた。
千畳敷カールは、中央アルプスの宝剣岳の真下に広がる氷河地形である。
ロープウェイの山頂駅を出ると、左手の頭上に聳えるのは木曽駒が岳である。
千畳敷カールを歩き始める。
コバイケイソウが咲いていた。
コバイケイソウは、高山植物では大型で、1mほどの高さになる。
木曽駒千畳敷のお花畑にはタイミングが良く、高山植物が咲いていた。
下を見ながら進むと、黄色い花のオオバミゾホオズキがある。
オオバミゾホオズキは、高さ10cm〜30cmの直立した茎に、卵形または卵円形の覇を付け、筒状の黄色の花を咲かせる。
白色のミヤマシシウドは高さが1m〜1.5m程で至るところにあった。
コイワカガミは、草地や岩場に生育し、束生した葉の中央から花茎を出し、
先端に3〜10個の花を総状花序につける。
花は淡紅色、がく片は5個で、裂片は長楕円形、花冠は径1cm〜1.5cmで、
漏斗状で5裂し、裂片の縁はさらに裂けている。
キバナノコマノツメの黄色の花が咲いていた。
キバナノコマノツメは、北半球の冷温帯に分布するスミレ科の植物である。
湿地を好み、直径1.5cm〜2cmの花弁に黄色い花を付ける、
千畳敷カールから駒ケ岳の頂上を目指して、垂直に近い坂を登っ行く。
登山道はジクザクの道になっている。
登山者は一歩一歩歩いて、山頂に向かう。
途中には休憩者もいた。
一気に登れないので、途中で休憩しながら、登る。
振り返って、下のカール方面を見る。
ジクザクの道は終り、岩場の直登の道。
中岳までは一踏ん張りである。
登りきると、下部の千畳敷カールを見て、高低差を確認した。
登りきったところは中岳の尾根で、この先は平坦な上り坂である。
その先に山小屋があった。
木曽駒ヶ岳・中岳の頂上へ向かって、山小屋の横の尾根の道を行く。
岩が散乱するガレ場で、多角形の建物が見える。
この先は完全なガレ場で、登山道にはロープが張られていた。
ロープを利用して上ると、中岳の頂上へ出た。
中岳の頂上は尾根から少し上った程度の高さの岩山だった。
到着すると、霧が出てきて、周囲を覆い、シルエットでしか見えなくなった。
これで、中岳登山は終了した。
中岳周辺でも、高山植物が咲いていた。
ハクサンイチゲは、キンポウゲ科の植物で、5〜7枚のしろい花びらのように
見えるのは、がく片である。
直径3cmの白い花の中心部に、薄い緑色を帯びた雌蕊があり、
その周囲に、黄色の雄蕊が囲んでいる。
高山植物を代表するものの一つである。
ミヤマリンドウや、アオノツガザクラや、コマクサがあるのを確認した。
ミヤマリンドウの茎の基部が長く這い、茎先が立ちあがり、高さが10cm〜15cmになる。
茎の上部に、1.5cm〜2cm程の青紫色の花を四つ付ける。
アオノツガザクラの茎は地を這い、よく分岐する。
茎の上部が斜上し、高さが10cm〜30cmになる。
枝先に四〜十個の花を下向きに付ける。
コマクサは、美しい花と、他の植物が生育できないような厳しい環境に咲くことから、高山植物の女王と呼ばれている。
高さは5cm程で、花茎は10cm〜15cmで、淡紅色の花を咲かせる。
訪問日 平成十六年(2004)七月十五日