岐阜城は長良川の川岸にある稲葉山の上に建つ山城である。
斎藤道三が、山城部分(稲葉山城)と、城下を整備した。
天下布武を目指した織田信長は、山麓に居館、山頂に居住屋敷の城に改築し、安土城の
築城まで使用した。
岐阜城は日本１００名城の第３９番に選定されている。
織田信長は、永禄十年(1567)、斎藤道三の孫・龍興が守るこの城を攻め落とし、 稲葉山城を岐阜城と改称して、居城とした。
JR岐阜駅前には、金色で大きな織田信長の銅像が建っている。
また、市内を走る岐阜バスの車体にも色々な姿の織田信長が描かれている。
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戦国時代前期までの城は山城で、高い山に砦や郭と土塁の城を築き、
戦争になるとそこに籠って戦い、
平時は山麓に館を築いてそこで居住していた。
岐阜城もそうだった。
「 現在、岐阜公園となっている岐阜城は、
山麓部に築かれた信長の居館と、金華山山頂の城郭と、二つのエリアに分れている。
山麓の一段高くなった千畳敷には、ポルトガルの宣教師ルイス・フロイスが紹介した、
楼閣(信長の住居)が建てられていた。
信長の居館跡は、最近になり、発掘調査が進められ、庭跡などが発見された。
現在、 冠木門と虎口の土塁が復元されている。 」
現在、 ロープウェーで登れる、山頂の城郭部分には、
三層の復興天守 と 模擬隅櫓(資料館)が建っている。
岐阜城は、徳川家康により、廃城になったので、
江戸時代初期の絵図でしか存在しないものである。
廃城まで経緯を記すと、
「 織田信長は、天正四年、近江国に安土城を築き、安土城へ入城、
岐阜城には嫡男の信忠を入れた。
天正十年の本能寺の変で、信長と信忠が亡くなった後、三男信孝が入城する。
天正十一年、信孝は信長の跡目争いに敗れ、自刃し、その後、羽柴秀吉の命により、
池田之助・池田輝政・羽柴秀勝・織田秀信が城主となった。
慶長五年の関ヶ原の戦いでは、織田秀信は西軍に付き、
東軍に攻められて開城し、秀信は高野山に蟄居。
徳川家康は岐阜城を廃城にして、加納城を築かせ、天守や郭などを加納城に移築した。 」
かっての岐阜城には、百曲道や七曲道などがあり、 麓から登って行ったわけであるが、 ロープウエイで登ると、山頂駅の下にあるリス村が、煙硝蔵 があったところである。
現在、レストランになっているところには、太鼓櫓があり、 右手に一之門があった。
復元された冠木門をくぐると、「伝一ノ門跡」 の説明板がある。
「 現在は、倒れた巨石と石垣が一部残るだけである。
当時は巨石を道沿えに立てて並べていたといわれる。 」
その先に、 「馬場跡」 の説明板がある。
説明板
「 岐阜城の郭内では唯一の平坦な土地で、
上格子門が巾３間(5.4m)長さ３０間(54m)続いていて、
元弘年間と推定される岐阜城絵図の馬場跡に位置している。
岐阜城に詰めていた将兵が、馬をついでいた場所とか、
乗馬の訓練をした場所とか、言われている。
一説では馬場ではなく、矢場であるという。 」
その先には、「切通(堀切)」 の説明板がある。
説明板
「 敵の侵入を防ぐため、尾根の通路を遮断するように造った堀。
中世山城に多く見られる施設で、普段は木橋がかかっていて、
戦時には橋を切り落として防衛した。
江戸時代には堀切とも呼ばれていた。 」
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その先の二之門を入ると下台所跡である。
説明板「下台所跡」
「 江戸時代の絵図や記録に下台所とある。
平らな場所で、入口部分は二の門、二の門の入口両側には、
巨大な石を使った石垣が残っている。 」
その先では岐阜城天守閣が大きく見える。
斎藤氏三代の歴史の説明板と、岐阜城跡図が掲示されていた。
説明板
「 岐阜城は建仁元年に二階堂行政によって築かれたのが始まりで、
室町時代には川手城を居城とした、美濃の守護土岐氏の筆頭家臣斎藤氏が居城した。
天文八年、山城国山崎の油売りから身を起こした斎藤道三が入城する。
道三は、天正十年には土岐頼芸を追放して、美濃一国を手に入れ、
その娘を織田信長に嫁がせた。 濃姫である。
弘治二年、道三は子の義龍と争い、討ち死にしてしまう。
子の義龍も、五年後の急死し、道三の孫にあたる龍興が城主となるが、
永禄十年、織田信長によって滅ぼされ、斎藤氏三代の時代は終わった。
岐阜城の名を天下に示したのは、永禄十年(1567)八月、織田信長公がこの城を攻略し、
美濃・尾張を平定するとともに、居城を尾張小牧山から移し、
地名を井の口から岐阜に改称し、天下布武と楽市楽座を宣言してからである。 」
このあたりが二の丸で、近くに軍用井戸があったようである。
石段を上ると天守閣に出た。
「 昭和三十一年に三層四階の天守閣として、
岐阜城再建期成同盟によって建築されたもので、
平成九年に、信長時代の外観に修正されたという。
岐阜城天守閣は、標高329メートルにあり、
最上階からは、眼下に鵜飼で有名な清流長良川が市内を貫流し、
東には恵那山、木曽御岳山が雄大な姿を見せ、
北には乗鞍、日本アルプスが連なっている。
また西には伊吹、養老、鈴鹿の山系が連なり、
南には濃尾の大平野が豊かに開け、
木曽の流れが悠然と伊勢湾に注いでいるさまを、一望におさめることができる。
城内は史料展示室になっていて、刀などの展示があった。 」
天守閣の脇に、模擬隅櫓(資料館)が建っているが、 天守閣内の展示の方が、見るものがあった。
その近くにあった石垣は、岐阜城で、もっともよく石垣が残るところである。
その技術は、信長入城以後に造られた、と考えられる、とあった。
「 金華山一帯は、平成二十三年(2011)に、
「岐阜城跡」 として、国史跡に指定された。
また、日本１００名城にも指定されている。 」
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岐阜城へはＪＲ東海道本線「岐阜駅」および名鉄名古屋本線「名鉄岐阜駅」から岐阜バス「長良橋経由」で約１５分、
「岐阜公園・ 歴史博物館前」下車、徒歩約３分で、金崋山ロープウエー乗り場に到着
ロープウエーで、金崋山ロープウエー山頂駅まで約３分、山頂駅から天守までは徒歩約８分