円成寺は、奈良市忍辱山町にある、真言宗御室派の寺院である。
楼門は、応仁二年(1468)の再建で、
三間一戸、入母屋造、檜皮葺で、上下層とも和様三手先を用い、下層出入口の上に、
正背面とも、花肘木をいれている。
正面の楼門前に、平安時代の面影を残す、浄土式庭園があり、国の名勝に指定されている。
多宝塔は、平成二年(1990)に再建されたものである。
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本堂は、室町時代の文明四年(1472)の建築で、国の重要文化財に指定されている。
入母屋造で、妻入の仏殿というのは珍しいようである。
本尊は平安時代の作の阿弥陀如来で、座高145センチの半丈六座蔵で、九重蓮台に安置されている。
堂内に、「円成寺旧本尊」と書かれた、十一面観世音があった。
円成寺縁起によると、この寺の中興の僧が万寿三年(1026)に、この像を祀るお堂を建てて、
円成寺と号した、という。
その後、天永三年(1112)に、経源が阿弥陀堂を建立し、阿弥陀如来を本尊として、
安置した、とある。
本堂を中心として、多宝塔、鎮守の宇賀本殿春日堂・白山堂が建っている。
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宇賀本殿は、鎌倉時代の建立で、国の重要文化財である。
説明板「当寺鎮守 宇賀本殿」
「 宇賀神(弁財天)を祀る。
社殿は、向拝に唐破風を付けた春日造としては、奈良県最古の建造物で、檜皮葺の屋根も、
棟木も千木も鰹木も勾欄も朽ち、荒廃の極みにあったものを、昭和二十五年(1950)、
奈良元興寺極楽坊禅定室修理に際し、社殿を運び、根本的に復元し、社容を一新した。
昭和二十七年重要文化財に指定された。 」
春日堂と白山堂は、本堂の脇に建つ、二棟の社殿で、同規模。同形式である。
奈良市の指定文化財である。
説明板「円成寺春日堂・白山堂拝殿 」
「 この建物は、円成寺の鎮守様である。
春日堂 白山堂(国宝)の拝殿で、棟札によって、延宝三年(1675)に建立されたことがわかります。
簡素で優美な意匠をもった上質な建物で、江戸時代初期の拝殿として貴重です。
円成寺は、江戸時代には幕府の保護を受けて、繁栄しました。
そうした時期に建立されたこの拝殿は、寺の歴史を考える上でも貴重な建物です。
奈良県教育委員会 」
説明板「国宝・当山鎮守 春日堂・白山堂付棟札 鎌倉」
「 春日大明神 白山大明神を祀る。
社殿は、安貞二年(1228)、奈良春日大社御造営の節神主大中臣時定卿が旧社殿を拝領し、
当山の鎮守社として寄進した、日本最古の春日造社殿であり、全国最小の国宝建造物である。
蟇股・懸魚・勾欄・斗?に鎌倉建築の特色を備えている。
殿内に蔵する六枚の棟札は、鎮守社の沿革、円成寺の歴史を知る貴重な文献である。
昭和二十八年に国宝に指定された。 」
国宝の運慶作の大日如来像は、現在、相成殿に祀られている。
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訪問日 平成十六年(2004)九月十五日
所在地 奈良県奈良市忍辱山町(にんにくせんちょう)1273
JR関西本線・近鉄奈良駅より、奈良交通バス柳生方面行きで40分、
忍辱山バス停下車徒歩すぐ