名所訪問

「 足 摺 岬 」


かうんたぁ。



足摺岬は、四国の南西部の足摺半島の 先端部の岬で、足摺宇和海国立公園に指定されている。 
黒潮洗う崖の上にある白亜の灯台は凛々しく美しい。 
金剛福寺は、嵯峨天皇の勅願により、空海が創建した寺で、 それにまつわる場所が、足摺七不思議と称されている。


四国の最南端の足摺岬で温泉に入れるとあったので、興味を持ち出かけた。
高知でレンタカーを借り、山をいくつも越え、 3時間半かけやっとたどり着いた。 
道は悪くなかったが、道がくにゃくにゃしていたので、予想した以上にヘビイだった。 

駐車場に車を停めて、歩き始めると、右下はアロード海岸である。 
下に遊歩道があるのが見える。 

その先の左にある鳥居は、白皇神社である。 

その先の右側に、「足摺山金剛福寺」 の石柱があり、その奥に山門の補陀落東門が見えた。 

「 土佐国は、室町時代までは、僻地の一つに数えられ、 政治犯が流されたところであるが、今からおよそ千二百年前に、嵯峨天皇の勅願により、 弘法大師 が当地に金剛福寺を建立した。 
四国八十八箇所第三十八番札所になっている。 」

アロード海岸
     白皇神社      金剛福寺山門
アロード海岸
白皇神社
金剛福寺入口


山門をくぐり、石段を上ると、左側に海亀の石像がある。 
正面に本堂があり、巡礼者が参拝していた。 
本堂には本尊の千手観音が祀られている。 

「 寺伝によれば、弘仁二年(822)、 嵯峨天皇から、「補陀落東門」 の勅額を受けた弘法大師が、 三面千手観音を刻んで、堂宇を建てて、安置し、 寺を創建した、と伝わる。 」

境内に大きな池があり、池の向うの左側に修業大師像があり、 右側の朱色と白色の八角堂は釈迦堂で、釈迦如来坐像を祀る。 

海亀の石像
     金剛福寺本堂      修業大師像・釈迦堂
海亀の石像
金剛福寺本堂
修業大師像・赤いお堂 釈迦堂


本堂の右手にあるのは、護摩堂・多宝塔・納経所である。 
多宝塔には、胎蔵大日如来像が祀られている。

権現堂には、熊野三社権現が祀られていて、当山の鎮守である。

山門を出ると、田宮虎彦の文学碑があった。
田宮虎彦は、昭和二十年(2045)に、短編小説「足摺岬」を発表、その後、映画化された。 

本堂・護摩堂・多宝塔・納経所
     権現堂      田宮虎彦文学碑
本堂・護摩堂・多宝塔・納経所
権現堂
田宮虎彦文学碑


その先には、ジョン万次郎の銅像が建っている。

「 ジョン万次郎は、足摺半島の西海岸にある中浜の出身で、 漁に出た船が流され漂流しているところを米国の船に助けられ、 船長の世話で、英語などの知識を得て、帰国を果たす。
幕末の政局に大きな影響を果たした人物である。 」

この地は温暖なため、椿が自生し、樹林を構成している。 
椿トンネルをくぐり、崖沿いの道を行く。

広場のようなところに出ると、「足摺灯台」の標柱があり、 その先に灯台があった。 
中には入れなかったが、外に「足摺灯台」の説明板があった。

説明板「〜 黒潮の表玄関〜 足摺灯台 」
「 四国南端の地、足摺岬に 白亜の八角形の灯台が建設され、 大正三年(1914)四月一日に点灯しました。 
その後、戦争による被害は免れたものの、老朽著しく、 昭和三十五年(1960)に、画期的なデザインの 「ロケット形」 灯台に改築され、 灯器も強力なものに変更されて、現在に至っています。 
高さ 地上から灯台頂上まで 約18m 水面から灯火まで 60.6m 
光の強さ 46万カンデラ 光が届く距離 20.5海里(約38km) 」 

ジョン万次郎の銅像
     椿トンネル      足摺灯台
ジョン万次郎の銅像
椿トンネル
足摺灯台


このあたりには足摺七不思議がある。 「地獄の穴」 という、物騒な名である。

説明板「地獄の穴」
「 この穴に銭を落すと、チリンチリンと音がして、落ちていく。  その穴は金剛福寺の本堂のすぐ下まで通じている、といわれています。 」

太陽が沈み始めていたが、当日は雲に覆われ、太陽の形は確認できなかった。 

展望台があるので、上って行った。 
そこから見えたのは、崖の上に建つ、白亜の足摺灯台である。 
その先には、地平線が広がり、崖の下は白波が泡立っていた。 
足摺でなければ見られない、スケールが大きい風景であった。 

地獄の穴
     日没前の海      足摺灯台と太平洋
地獄の穴
日没前の海
岬の先端と足摺灯台

ここは足摺半島南東部に位置する岬である。

「 このような地形が出来たのは、 標高433mの白皇山を中心とする花崗岩台地が、隆起と沈降を繰り返すとともに、 太平洋の荒波による浸触で形成されたものである。 」

しばらく間、遠く太平洋から運ばれてくる荒波が、岩に当って散る様子を眺めていた。
この繰り返しが大きな大地を削り摂っていると、思うと、自然の営みはすごいなあ、と感じた。

帰り道として、海岸まで降りて、遊歩道を歩くことにする。 
途中に、鳥居があるのは、白山神社のものだろう。 

足摺岬
     砕けて散る荒波      遊歩道
足摺岬
砕けて散る荒波
遊歩道で海岸へ下る


海岸の対面にあるのは、白山洞門である。 白山神社はここに祀られている。

説明板「白山洞門」
「 高さ 16m 幅 17m。 花崗岩の洞門では、日本一といわれる白山洞門は、 太平洋の荒波が造り上げた、典型的な海食洞門です。  自然の見事な造形美は目を見張るものがあります。 昭和28年高知県天然記念物指定。  」

遊歩道を歩いていくと、右手に急な階段があり、階段を上ると温泉街で、 足摺の探訪は終了した。

今夜の宿は、足摺国際ホテルである。 
夕食に皿鉢料理が出たが、この時期は初カツオの時期だったので、カツオがうまいと思った 。 
旅の目的の温泉に入った。 

「 温泉施設としては、一度に多く入れる室内大浴槽と、 6人程度の露天風 呂、それに、十人余の洗い場だけである。 
湯はぬるめで、露天から背伸びをすれは海が見えるが、ほんの一部で、 展望がよいと いえる程のものではなかった。 
泉質は、ラドンを多く含有した単純弱放射能泉で、 この湯は、足摺岬周辺に点在する十軒ほどの宿泊施設に供給されている。  」

温泉の感想であるが、温泉そのものは今一つだったが、 足摺岬というロケーションにあるこ との良さと、そこでのんびり湯につかれたというのは、 それはそれで価値があるように思えた。  

白山洞門
     遊歩道      足摺国際ホテル
白山洞門
遊歩道を上る
足摺国際ホテル


 

土佐くろしお鉄道中村駅から高知西南交通のバスで、足摺岬バス停で下車。

旅をした日  平成二十一年(2009)三月二十八日〜二十九日




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